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「英語」と「囲碁  「エ」が違うだけ? [英語と囲碁]

 今回も、ごく個人的な話から始まります。タイトルに示した本題は、当分でてきません。ブログだから当然?といえば当然ですが。

 世の中には、あまたの職業があって、身近で比較的わかりやすいものと、どうにも説明しにくいもの、とがあると思います。
 また、明快でも、公表しにくい職業(夜の関係や詐欺師など)もあります。
 ご職業は?と聞かれたときに、「~です」、と明快に片づけられないのは困りモノです。
 また、転職経験のある方は、新しい職場の同僚に、昔は何をやってたの?と何気なく聞かれ、答えにつまったケースもあると思います。説明するのが難しい場合は、「まあ~のようなもの」、「答えるほどのものじゃない」、とお茶を濁す以外ありません。
 例えば、
#比較的わかりやすい職業としては
:大工、作家(印税生活者)、ガードマン、水道工事屋、学校の先生、ゼネコンの社員、政治家など。
#どうにも説明しにくい職業としては
:碁会所の居候師範代、歯科技工士、弁理士、システムエンジニア、ソフトウェア会社の法務部社員、など。

 どうですか?
 皆さんには、すでに、この話の落とし所がおわかりと思います。
 ですが、少し SURPRISE も用意してあります(ウソ)。

 先に挙げた12個の職業のうち、私の経験した職業がいくつかあります。
 大体は予想がつくと思いますが、

 大工(×)、作家(印税生活者)(○)、ガードマン(○)、水道工事屋(×)、学校の先生(○)、ゼネコンの社員(○)、政治家(×)、碁会所の居候師範代(○)、歯科技工士(×)、弁理士(○)、システムエンジニア(×)、ソフトウェア会社の法務部社員(○)。 です。
 まあ、現在は 生徒のいない洋書の読書教室の 無能な主 というところです。
 このような経歴なので、前職を聞かれた場合、見栄えのする「大学の一番下の講師だった」という職業歴を答えるようにしています。

 せっかくなので、前職に関連する趣味である「囲碁」(イゴ)に関し、変なはなしですが、「英語」(エイゴ)と比較してみたいと思います。

「エ」が違うでしょ。(これは 主題 では ありません)

 その前に、まず、「囲碁」「碁会所」「居候師範代」といった用語を説明しておきます。

 碁会所は、主にお年寄りの趣味と理解されているボードゲーム「囲碁」の対局を行う場所で、簡単に言えば、雀荘の囲碁版名称です。原則として、対局者同士のお金のヤリトリはありません。

 囲碁の有名エピソードでは、徳川幕府の少し前、織田信長が倒れた本能寺の変の前日に、これを予兆する不吉な囲碁の対局結果「3コウ無勝負」があったと語られています。時は流れ、平成に入って、「ヒカルの碁」で少し世間の注目を集めました。

 碁会所の一日の遊戯代は、平均するとほぼ千円で、昼に始まり夜9時ころまで大体やっています。あまりもうからない商売で、目立ちませんが、どこの町にも必ずあります。
 ちなみに、お隣の韓国ソウルなどでは、日本の学習塾よりも多い数の「囲碁塾」が実際に運営されており、親は、小学生を、まず囲碁塾に通わせると言われています。囲碁を学ばせることは最適とされているらしいです。

 多くの名人を輩出した江戸時代から近世の昭和世代まで、囲碁の世界は日本の独壇場でしたが、今は、天才を輩出した韓国と、英才教育を実施している中国とで世界のトップを争っており、日本は劣勢です。世界をリードしているのは、たぶん、韓国でしょう。


  さて、いよいよ、本題です。
「エ」の話?
 そうではありません。
 実は アマチュアの囲碁界の様相は、英語の勉強の世界と、じつに似ているのです。

 いま、かりに囲碁のアマ愛好家の総数を千人と仮定すると(現実は数十万人以上)、その内訳と、次のステップまでの所要年数などは、次のようになります。
 なお、一応それなりに時間とお金を費やしている囲碁愛好家とお考えください。

クラスレベル/内訳/次のステップまでの所要年数

:3級まで/200人/5年以内に昇級
:1、2級/500人/7年以内に初段
:初段/200人/5年以内に昇段
:二段/60人/5年以内に昇段
:三段/25人/5年以内に昇段
:四段/8人/10年以内に昇段 
:五段/4人/10年以内に昇段
:六段/2人/10年以内に昇段
:七段 1人
 総人口千人中、高段者とされる5段以上は、4+2+1=7人ですから、o.7%。

この高段者が「英語ができる人」にあたります。7段は、TOEIC(私はうけたことがないが)だと最高点に近い数字をタタキ出す人、現実社会では英語で全く不自由しない人です。

 三・四段は、テストの点数としてはやや上位の中間層くらい、英語を使う場面がある仕事を、何とか努力でこなせる人かと推測します。

 ここで、改めて昇段などの所要年数をみてみると、初段までに12年、

初段から6段まで40年という数字が出ます。

ずっと平均的に勉強し、対局したとしてです。

 英語の勉強をそれなりにしたとして、10年でまだ初段。ヘボ碁といわれる腕前です。

 これは、中学、高校と英語をやってきて、ある程度の単語や簡単な文の意味はわかるものの、実際には英語がほとんど使えない、といった感じかと思います。

英語を学んだ人(高校以上の卒業者)を千人と仮定すると、200+500+200=900人ですから、実感が出ていると思います。

 この初段者は、10年分の努力の上積みをしないと三・四段にならない計算です。
 40年分近い英語努力を積まないと、高段者(英語ができる人)になれません。
 
 私は、囲碁では6段格(また自慢か? 日本棋院の正式な免状はないが、碁会所では6段として扱われる)ですが、英語では、まだ三段~四段をウロツイテいる状況だと思っています。

 何しろ、読書(読む)ばかりしていて、「聞く」、「話す」、「書く」という現実の英語力があまり身についていないからです。
 それでも、読む力のおかげで(一応あるとしてですが)、900人の外に踏み出したのでは、と考えています。

 ちなみに、しつこく宣伝になってしまいますが、私は熱中しやすく、集中すると力を発揮するタイプなので、

35歳で当時1級から囲碁を再開し(中学までやっていた)、あらゆる本を読み、碁会所で負け・負け・負けを繰り返して、2年くらいで4段格に昇りました。

つまり、2年のその間に、約20年分を集約させたわけです。相当の負けず嫌いです。
 英語でも、約2年くらいで、2~3級の初段以下から、急上昇して3段くらいには昇ったと思います。


 ですが、囲碁と英語で、全く大きく異なることがあります(あの・・・そもそも比較すること自体無謀だと思うんですが、エ?)。


 囲碁の場合、モノスゴク効率的で平易な高段への道はありません。これは、断言できます。

 試行錯誤、丸覚え、負け負けのくり返しの中で、大量の時間をかけて、前の見えない道を少しづつジクザグに進むしかないのです。高段にたどりついた人は、何かの条件がタマタマ合致したのだと思います。

 英語はどうでしょうか。

英語マスター(高段)にたどりつく人が少ないことは確かですが、囲碁と異なり、少なくとも、

三つの Yellow brick road
(なつかしいね Dorothyドロシー)
があると思っています。

 ひとつは、「聴く」力を伸ばす道です。

これには指導者や協力者が不可欠です。
手本や手直しがなければ、身につかないからです。このYellow brick roadを歩いてゆくと、エメラルドシティにたどりつけます。皆がそう思って、英会話学校へ行くんだと思います。

 もう一つは、「覚えてしまう」道です。

単語はもとより、教材に出てくる事項は、全て徹底的に覚えます。
頭のなかにDVDを構築し、口からそのまま教材がすべて飛びだしてくる程度に、覚えます。
丸暗記は効果が・・・という人がいますが、覚え方が足りないのが原因です。一言1句違わずにスラスラ出て来ないようでは「覚えた」とは言いません。

 最期が、「読む」力を伸ばす方法です。

楽しく読もう、ですね。
 楽しく読むだけじゃ、子供の標語だね。そんなことなら、だれも苦労はしないよ。と言われても、信じる者は救われる?、という心境です。
 

 ということで、「エ」しか違いませんが、「英語(エイゴ)」関係の皆さんは、「囲碁(イゴ)」には手を出さないように しましょう。

 イゴの方は、はてしない時間と労力をかけても、ちっとも上達しませんから。

ヘボ碁100年  囲碁の道








 





















  

 

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グッピー


楽しく読まさせていただきました。当方、ルールがわかり、生き死にも簡単なものがわかるレベルで、初段を目指しています。(現在、3級?)

目算は、当然できませんが、碁会所には行った子があります。(置碁です。)あたり前ですが、新聞掲載、NHK杯の解説はチンプンカンプンです。

まず、やることは詰碁をすればいいでしょうか?
アドバイスよろしくお願いします。
by グッピー (2012-03-12 17:20) 

足立sunny

グッピーさんへ。
どうもです。
囲碁でですね、だいたい3級前後の方が、初段以上程度に強くなるために、効果がある手法というのは、いくつかあるのですが、大雑把にいいますと、
(1)やさしい詰碁を、たくさんやるー(難しいのは必要ありません)ースポーツ報知の詰碁ぐらいのものが解ければ十分です。3級の詰碁とか、初段の詰碁とかのシリーズを。
(2)出来れば、旧版の「基本布石辞典上・下」(林海峯さん版のもの)を読んで、盤に並べる。今出ています新版のものより、旧版・林海峯版のものの方が、断然上達には有用です。布石の考えに、明るくなります。
(3)手筋の本を、繰り返し読むー手筋の本は、「読みの強化」に直接つながり、著しく棋力がアップします。
(4)コレが実際は難しいのですが、数多く囲碁を打つー実戦ですね。
(5)入手が難しいですが、藤沢秀行さんの問題解答集みたいな次の一手本を、たくさん読む。場面を考える力がつきます。
(6)呉清源囲碁全集5巻か、木谷道場囲碁全集など、シリーズ全集を読む。これは、読むだけで、それなりに棋力がアップします。内容は難しいので、あんまりわからなくても大丈夫です。

他に、ですね、先人が考え出した「囲碁の読み強化練習法」などが、いくつかあるのですが、コメント欄では説明しがたいので、「今度」ブログの方で、なんとか記事としてアップしたいと思います。

3級~初段の頃までというのは、ホンのちょっとしたことで、グンと棋力が向上する時期ですので、やりかた如何は重要なのですが、なかなか、短い言葉では、ですね、説明が・・・。
詳しいお話は、なんとか、次のブログをお待ち下さるよう、お願いします。
by 足立sunny (2012-03-14 22:03) 

グッピー

足立sunnyさんへ

お忙しいところ、対応していただきましてありがとうございました。

(4)藤沢秀行の本について詳細情報をいただけないでしょうか?

次の一手、解答問題集ということですが、どれなのか自信が持てませんでした。

強烈に努力をして初段になりたいと思っています。
by グッピー (2012-03-15 08:54) 

グッピー

足立sunnyさんへ

私のコメントで訂正箇所があります。

すみません、(4)でなく(5)でした。また、急いでいたこともあって、敬称をつけ忘れておりました。紹介いただいた藤沢秀行先生の本についてよろしくお願いします。是非入手したいと思っています。

>>(5)入手が難しいですが、藤沢秀行さんの問題解答集みたいな次の一手本
by グッピー (2012-03-16 00:59) 

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