流ルル英語で感じる
「英文の普通の読み方への疑問?」

日本ブログ村リーディングの上の方に「流ルル英語 英文を読む妙技とイギリス生活」というブログがあるのですね。
当方、ブログ読むの好きですから、これを(というと作者に怒られますが)、読ませてただいているわけです。

ところが、実は、今まで読んでいたのは、どうも「流ルル」部分でないことに、今日はじめて気がついたんです。
いままで読んでいた部分は、イギリスにお住まいと思われるこの方のnative kids(お子さん)のお言葉が多いのですが、どうも流ルル指導的ではありません。イギリス生活は、とても興味深いのですが。

☆☆
今日、はじめて、気がつきまして、流ルル指導らしい「コマ送りで読む」という部分(流ルル英語の部分の例題と思われるもの)を発見し、読んだわけです。

これは、間違いなく、力作と思いました。
ここまで具体例を挙げて説明し、わかりやすく、かつ実践的に解説するのは、並大抵のことではできません。
真の英語力がなければ、これは出来ません。

☆☆
そこで、その解説を読めば読むほど、強く思った、感じたのですが、
実は、当方、この解説で説明されていることを、チョットえらそうですが、
「なるほどですね」
「おっしゃるとおりです」
「普通はそういう感じですね」
「まあそう読みますね」
のように感じるわけです。

ありていにというか、言い換えますと、
「他に読みようがないのじゃないのかなあ」
「これ以外の方法で読んだら、スゴク疲れるだろうなあ」
「最初(文の頭の方)から順にコマ送りにして説明するってことは、もしかして、後ろから、または途中から読む人が大勢いる、ということなのかなあ?」
と感じる部分があるわけです。

流ルル解説は、本当にすばらしく、実にお役立ちなのですが、それは別の問題としまして、こと英文を読む段になると、
「普通の文を普通に読むだけなのに、ここまで解説がいる事項だったのか!」
「じゃあ、いったい普通の人は、どうやって英文を読んでいるんだろう?」
と、改めて思った次第なわけです。

特に、
「普通の人は、普通の英文を、どうやって読んでいるのだろう?」
というのが、最大の疑問:「命題」なわけです。

☆☆ 
例えば、
The jury found him innocent of dealing drugs. [jury=陪審]
(陪審は、彼が麻薬取引について無実であることを見出した)
の場合ですと、もし仮に、頭から普通に読むのでないとしますと、

どこから、どう読んでいるのか、ということです。

The jury found him を読んで(ここまではまず読むと思うのですが)、そこでどうされているか、ということです。

いったんここで、himを置いておいて、innocent of dealing drugs を先に「麻薬取引について無実」と読んで(=訳して)、それから him を振り返って、ああhim(彼)がinnocent なんだなと考えて、最後に、もう一度 The jury found him~彼が麻薬取引について無実であることを見出した、とするのか?

それとも、

The jury found him innocent までいったところで、ハタと止まって、him=innocent だから文の構造はSV・・で、したがって「juryは、彼を発見した・見つけた」のではなく、「彼が無実であることを見出した(若しくは無実であるところの彼を見出した)」で、何について無実かというと「of dealing drugs 麻薬取引」か、というような読み方をしているのか?

若しくは、もっと違った読みかたがあるのか?と。

☆☆
でも、まあ、こちらは短い文ですから、どう読んでもさしたる違いはなく、時間的な差異も少ないと思うのですが、

「流ルル」で例題的に「コマ送り」で挙げられていました、以下の文のような「いろいろとつながっている文」の場合、
普通の人は、どう読まれるのだろうか?ということです。

《例題》
Japan's best-known pop band faces an uncertain future after one of its members was found cavorting naked in a public park in Tokyo in the early hours today
日本でもっともよく知られたポップバンドは、そのメンバーの一人が、今朝未明、東京の公園で、裸で浮かれ騒いでいるのを見つけられたことで、先行きが危ぶまれる事態に直面した。(訳の方は、当方の自前訳です。テキトウ訳で申しわけないのですが。)

難しい単語は、たぶん、cavorting naked=裸で浮かれ騒いでいる、faces an uncertain future=先行きが危ぶまれる事態に直面する、ぐらいだと思うのですが、では、全体を、どこからどう読むのだろうか?ということです。

けっこう長いですから、初めから順々に読まないとすると、どう読むのか、実は、当方、まったく予測がつかないのです。

ただ、文としては長いけれども、この文自体は比較的単純な構造の文なので、
意味上の区切りとなるafterの前と後、
1.Japan's best-known pop band faces an uncertain future
2.after one of its members was found cavorting naked in a public park in Tokyo in the early hours today
の二つにわけて、それぞれバラバラに読んで「最後にくっつける」という読み方も可能なわけです。

☆☆
いったい、皆さん、というか「普通の人」は、「英文を」どう読まれているのでしょうか?
どこかの本に書いてあるように、SV・・とか、that 節がココにかかってとか、そんな感じで、
「途中のところから読む」
「後の方を先に読む(=訳す)、それから前の方を読む、そしてつなげる」
というようなことを、本当に、されているのでしょうか?

まあ、文法の本などでは、そうしているわけです。
そうしないと、「文法」が解説できないからです。
文の構造(主語とか節とか、その類)並びにそこで使用されている文法事項(進行形、過去完了とか、そういう類)を解明するのが「文法」なので、そういう解明のために、そうしているわけです。

それは、「文の研究」「文の文法的学習」であって、普通の読み方ではないわけです。
一般の中・高校生や普通の方は、どうやって英文を読んでいるのでしょう?

☆☆
話がイキナリ少し飛びますが、
実は、英語多読の提唱者・啓蒙者というかご本尊というか、酒井邦秀先生の「快読100万語!ペーパーバックへの道」(ちくま学芸文庫)というご本の冒頭に、Flying Home (penguin Readers: EasyStarts)を用いて、「今現在のあなたの英文読書スピード」を測る、それをもとに先生が指針を述べてくれている、頁があります。

「30秒以下で読み終わったあなた」、「1分前後で読み終わった人」、「1分以上かかったあなた」、といった具合に分けて、指針を説明されています。

☆☆
では、本当にイキナリ突然ですが、読書の時間です。

まずは、一応、時間を計って試してみて下さると、以下の話がスムーズに展開します。いまさら、こんなものを、と思われる方も多いと思いますが、ご協力下さると、当方、大変助かります。
ブログの文字ですと読みづらいと思いますが、それほど長い文章ではありません。

3、2、1  スタート
《 Flying Home (penguin easy starts) 》
Felix is a blue and yellow bird from Brazil. He lives with the Baxter family in New York. His home is a big cage. It is on the fortieth floor of a tall building.
Felix likes the Baxters, and the Baxters like him. They give him food. They talk to him and show him to all their friends. But Felix is not happy. He wants to go home to Brazil.
Every night Felix looks up at the sky. He can see the whole city. It is big and exciting. It is home for Baxters, but not for Felix.

どのくらいの時間で読めましたでしょうか?

☆☆
時間別に、気になる解説・指針をみてみましょう。
そのなかに、いくつか気になる解説《抜粋》があるのです。

「30秒以下で読み終わったあなた」大吉、または大凶!《の抜粋》

一方、「なんだ、このくらいの英文なら簡単、簡単、知らない単語はひとつもないし、文型も全部わかった」と自信満々のあなたー大凶です。次の「1分前後で読み終わった人」に出てくる中凶の人をもう一息悪くしたのがあなたの状況だと思って下さい。
《抜粋終わり》

1分前後で読み終わった人―中吉又は中凶《の抜粋》

読んでいるとき、文を一つ一つ日本語に訳していなかっただろうか?(中略…)問題は答えが「イエス」のあなた。あなたは学校時代、相当英語の成績がよかったはずです。それが裏目に出て、「めざせ100万語!」では中凶です。裏目どころか、学校英語の後遺症が足かせとなっているといっていいでしょう。もうすこし症状を分析してみます。
ふだん英語を読むときに、
・ わからない語が気になってしかたがない。つい辞書をひきたくなってしまう。症状がひどい場合はわからない語があると、その先は一歩も進めない。
・ わからない文はどうしても英文和訳をしてしまう。和訳がきっちりできないと、気分が悪いし、先へ進めない。
・ 主語はどれか、修飾語はどこまで、などと分析してしまう。
・ あ、この単語は覚えておきたい、この表現は使えるかも…などとすぐ「お勉強」をはじめてしまう。
該当項目ができるだけ少ないことを祈ります。
《抜粋終わり》

そして、そのもう少し後の頁に、
《抜粋》
けれども、この本を手にとるような人はどなたも学校英語にさらされてきたはずです。そして英文和訳しながら理解する癖がついているにちがいありません。しかも、和訳するときに、英和辞典にのっている間違った訳語を使い、文の最後から逆にたどって訳しているのではありませんか?それでは耳から聞いた外国語がわかるはずはありません。そこでまずたくさん読んで、出てきた順に英語を理解できるようになろうというわけです。
《抜粋終わり》
という文章があります。

☆☆
長々と引用させていただきましたが、この記述、
「英文和訳しながら理解する癖がついている」
「和訳するときに、文の最後から逆にたどって訳している」
「出てきた順に英語を理解できるようになろう」

からしますと、

・「英文和訳、するためには、文を後の方から、又は、途中から読む、必要がある。」
文の構造とか、主語・述語とか、接続詞の検討とか、和訳のための解析が、たぶん必要で、そのためには、順番をひっくり返したり、途中を抜き出したり、という作業をしている、という指摘なのかと思います。
・ 「そういう英文和訳する癖がついているため、文のはじめから順に理解しようとしない」
これだと、流ルル流の手ほどきがまさしく必要で、英文の読み方の基本に反しているというか、非常に奇妙な読み方をしていると感じますね。

あなたは、このような記述にあてはまりましたか?
いかがでしたでしょう。

☆☆
この英文和訳しながら連続して英文を読み進む、なんですが、
「英文を英文のまま理解する」のと、「英文を高速に英文和訳して理解する」のとで、
私自身、実は、(しゃべるや聴くを除いた)「英文を読む」という点だけに限定しますと、
「知らない単語や表現がないときは」→「大した違いはない」
と思っているのです。

☆☆
確かに、私自身、ふだん英文を読んでいるときに、和訳はしておりません。
(単語やビジネス的な慣用表現がわからない場合を除いて)読んだ英文の意味は、自然と頭に入ってきます。
先の例(流ルルの文章例題)で申しますと、一々、「東京の公園で」とか「今朝未明に」とかでなく、in a public park in Tokyo、 in the early hours today として頭に入ります。
でも、それを頭が、自然と「東京の公園で」「今朝未明に」と理解してくれるのです。頭の中の高速イメージという感じでしょうか。

ですから、高速に和訳してからそれを頭に入れたのと、どれほどの違いがあるかと言われれば、単に和訳プロセスが省かれている、ぐらいの違いでしかありません。
ただ、和訳プロセスがありませんから、英文を頭から順に読んで、そのまま理解し、知らない単語が出てきても、ソコダケ無視することができます。残りの部分だけ頭に入ります。
したがって、その部分は正確な意味がつかめなくとも、(そこはソレとして)全体を読み進めることができます。

☆☆
「高速に和訳」の方は、知らない単語、表現が出てくると、たぶん、そこでいったん「ストップ」するのだろうと思います。
「複雑な構造の文」ですと、「高速に和訳」の障害になりますから、これもまた「ストップ」するかと思います。高速が、「低速な和訳」になるともいえます。
そうしますと、
「知らない単語、表現がけっこう出てきて、ちょっと複雑な文がある、そういう本・記事は、読み進められない→読めない」、
若しくは、
「和訳プロセスに手間・時間がかかるので、読むのにモノスゴク時間がかかる→読まない」
「わかる部分だけ、楽しく読む」ということはできない→全体的にやさしい洋書であっても難しい部分が含まれていると、楽しく読めない
ということになります。

☆☆
いかがでしょうか?
実際、一般の方は、どうのように普通の英文を読んでいるのでしょう。
本当に切ったり貼ったりして、途中から、若しくは後ろから読んでいるのでしょうか?

当方、英語指導の経験が不足しております。
どう読まれているのか、実際の現実を知りません。

過去に教えていたのは、
一般の法律(大学法学部と早稲田ビジネス専門学校)
産業技術と知的所有権(大学工学部)
弁理士試験受験指導(大学法学部と一般受験塾)
囲碁(碁会所のイソウロウ)
スキー(スキースクールのバイト)
のみで、英語ではありません。

列挙する必要がない! はい、その通りです。
エヘヘ。
ちょっと宣伝してみたかったんです。
ミエです。ミエミエの見栄です。

☆☆
しつこいようですが、もう一度、
「快読100万語!ペーパーバックへの道」で挙げられた「読書スピード」診断の「Flying Home」を再掲してみます。

どのくらいのタイムで読めるのか、
高速に英文和訳してしまうのか、
頭から順に読んでいるのか、
気になる方は、もう一度確認していただきたい、と思います。

《 Flying Home (penguin easy starts) 》
Felix is a blue and yellow bird from Brazil. He lives with the Baxter family in New York. His home is a big cage. It is on the fortieth floor of a tall building.
Felix likes the Baxters, and the Baxters like him. They give him food. They talk to him and show him to all their friends. But Felix is not happy. He wants to go home to Brazil.
Every night Felix looks up at the sky. He can see the whole city. It is big and exciting. It is home for Baxters, but not for Felix.

もし、万が一、先に挙げたような危惧すべき事態が出現したときは、
流ルル流に、というか、英文の基本にたちかえって、やさしい洋書で、頭から読む訓練・練習を心がけられるよう、オススメします。
わからないところは飛ばして読む、という練習でもあります。
言い換えますと、イインカゲンに読む、わかる部分だけ楽しく読む練習です。
そういう練習をドンドンしますと、ちょっと難しい本も、わかる部分だけ「楽しく」読めます。
「楽しく読もう」ブログでご紹介したような、やさしい洋書は、「本当に楽しく」読めます。

では また。


西新井sunny-side up の近況

「流ルル英語」の風花さま、ありがとうございます。
いろいろと引用させていただきました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。

西新井ではないですが、
日本ブログ村の人気記事から、当方の記事が消え去りました。
少しさびしいです。
これは、間違いなく当方に責任があります。
第一に記事が面白くない、との評価。第二に自分で他人を押し上げた、という点です。
実は、また、第1位から第5位までの記事のうちの4つ、当方が何度か、繰り返し読んだんです(女湯ではありません)。ブログ読むの、好きなんです。コメントしたりして、繰り返し読みましたから、それが人気記事になった要因の一つと思います。結果、当方の記事は消え去りました(第一位→無印へ)。
でも、読みたかったんです、何度も。

日本ブログ村、面白いブログがたくさん集まっています。
人気記事は、バラエティーに富んでいた方が面白いですよね(負け惜しみ)。

コメント・ご意見お待ちしています。
今回は、少しエラソウですみません。
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