その2 新年におくる「児童書」読書のススメ

新年も、もう5日となりました。
会社に出勤されている方も、少なくないと思います。
誠にお疲れさまです。
当方は、明日6日より仕事に復帰します。

少ししつこいのですが、先日の記事の「その2」をお送りします。
なお、今回の記事は、いつもより若干長くなっておりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

今年は、少し、「児童書の読書」をいかがですか?

という呼びかけを、3日にさせていただきました。


新年の初洋書をですね、例の高田書店でお買い物です。
ここでお出だしする必然性はないのですが。
洋書5冊+漫画=600円。


☆☆
そこで、2日経ちまして、ご賛同をいただいた方もおられるのですが、

どうも全般的には、ダウト、疑わしい、という雰囲気があるのですね。

そんなんでぺ-パーバックが読めるようになるのなら、みんなこんなに苦労はしていない、というわけですね。

(1)それが可能なら、どこかで、そういうオーソリティの本が出ているだろう
(2)だいたい、半年~1年ぐらいで読めるようになるという証拠があるのか、証拠が。
(3)そう話がうまくいくものか、オレは着実に勉強していくぞ。

という声が、一般の方から挙がり、

(3)多読は辞書を引かないのが大原則なのだから、辞書を引くとか、そんな大原則に反するテキトウなコトじゃだめだろう。
(4)グレーデッドリーダー、ステップリーダーで、1から着実にやらなくては、ものにならん。
(5)ムリにレベルを上げても、結局挫折に終わるのがオチさ。

という声が、一方の側から聞えてくるわけです。

思いますに、両方とも、ムリからぬ話なのですね。

何しろ、

(1)本をまったく読まない派(前者) と
(2)本を読むことしかしない派(後者)

とがぶつかっているわけですから、ですね。

どちらからも、否定の声が挙がるのは、仕方ありません。

そこで、急遽、「その2」としまして、話をつけ加えさせていただきたい、そう思う次第です。


☆☆
実は、これは、だいぶ以前にも、採り上げた問題なのですが、一般の英語学習をされている方の、PB読書についての「標準的なお考え」と思われるものが、さるブログにありました。

ブログ著者の方には誠に恐縮なのですが、英語学習をされている方の一般的な考えを代表していると思われますので、まずは、これを再度、引用させていただきたいと思います。
過去に読まれた方は、さっ、と飛ばし読み下さい。

「ハリーポッター」の読書とPB読書について、英検及びTOEIC 点数との相関関係を示したお話です。

《全引用:その方のブログ内容》

さて、本題のハリーポッターの難易度についてです。

経験上、英検の級・TOEICのスコアとハリーポッターの関係は下記のような感じです。

●英検準2級(TOEIC 470~550点 / 語彙力 3000~4000語)
ハリーポッターは読めません。辞書を引きながら読もうとしても、話の筋すら追うことが困難であると予想されます。

●英検2級(TOEIC 650~730点 / 語彙力 5000~6000語)
私が英検2級に受かってすぐ1巻の『賢者の石』を読んだのがこのぐらいの英語力の時でした。ずーっと辞書を引いている感じで、どれだけ考えても意味が分からない文も多く、本当に大変でした。読んでいるというよりは"解読"している感じで、結局読み終わってから考えてもストーリーもほとんど分かっていませんでした。映画を観ていれば話の筋は追えるかも知れませんが、とても満足に読めるレベルではないでしょう。

●英検準1級(TOEIC 800~900点 / 語彙力 7000~8000語)
かなり苦労しますが、読むとすればこのぐらいの力があれば何とか読めます。私もTOEIC800点の時に3巻『アズカバンの囚人』を読みました。が、結局1冊読むのに1ヶ月以上かかりました(苦)。向こうの大学の休暇中だったから良いものの、忙しい人なら半年ぐらいかかるんじゃないでしょうか。

●英検1級(TOEIC 950点以上 / 語彙力 10000~12000語)
私の今の力がこのぐらいですが、600ページ~700ページある分厚い4~7巻でも頑張れば1冊1週間ぐらいで読めます。語彙力が12000語あると辞書はほぼ引く必要がありません。比較的複雑な構文でも確実かつ正しく意味が取れます。すらすら読めるのでかなり楽しめます。

ということで、理想的には英検1級&TOEIC950点以上の英語力が無いと『ハリーポッター』は普通には楽しめないという厳し目の結論でした。

本屋では、色々な洋書に「TOEIC600点レベル」とか「TOEIC730点レベル」とかいう帯が付けられていますが、実際そんな簡単な洋書はないです。

《全引用終わり》


☆☆
長々と引用させていただきましたが、ハリーポッターの第3巻以降は、一般のペーパーバックと難易度がそう変りませんので、上で言うハリーポッターを=ペーパーバックと置き換えても、論旨はそう異ならないと思います。

つまり、
英検準1級(TOEIC 800~900点 / 語彙力 7000~8000語)であれば、ペーパーバックを何とか読めるが、1冊読むのに1ケ月以上かかるかもしれない。
英検1級(TOEIC 950点以上 / 語彙力 10000~12000語)ならば、ペーパーバックを比較的すらすら読め、600~700頁ある本でも、1週間ほどで読める。

最後の結論的な部分を、ペーパーバックに置き換えますと、「理想的には英検1級&TOEIC950点以上の英語力が無いと『ペーパーバック』は普通には楽しめない」、ということになります。

つまり、驚愕の英語力のある方でないと、ペーパーバックは読めない、そういう結論になるわけです。

その前段階の、英検準1級&TOEIC800~900点、語彙力7千~8千の方というと、一般的には、相当程度英語学習を積まれた方なわけです。1年やそこら、一朝一夕では、ここまでこれません。

その段階の方でも、1冊を1ケ月以上かかってやっと読み終える、そういう感じと判定されています。

いかがでしょうか。
これがペーパーバックへの普通の認識・常識だとしますと、
とても、当方が言うように、「児童書」を、半年~1年の間、50冊~100冊読んだ程度で、ペーパ-バックを読めるようにはならない感じ、とうてい歯が立たない感じに、思われるのではないでしょうか?

☆☆
しかし、ですね。
かかしは、scarecrow.

次は、当方の、「ハリポタ」読書記録です。
以前も書いていて、少し長くなるのですが、ご容赦下さい。

当方は、無理やり辞書引き多読を、この年から始めたのです。
実際に、マトモな本を読み出したのは3月からです。
3月以前(1月、2月)は、読む本といえば、絵本ばかり読んでいたとお考え下さい。
ただ絵本は、かなり多く読みました。

この3月の時点の英語力、特に単語力は、まさしく中学レベル(中学1年レベルではありません、普通に英語を勉強している中学3年卒業時くらいのレベル)だったと思います。

まず、5月に(正確な日付記録がないのですが)、第1巻~第4巻を読了しています。
かなり時間がかかったような気がしますが、これは、正確な日付の記録がありません。
5月までの3ケ月(3,4,5月)に読んだ児童書は、30冊~40冊です。

次いで、
ハリポタの第5巻以降を読んだ「7月」は、読書開始から、丸4ケ月経過時となります。
7月のハリポタ読書は、まず、第1巻~第3巻の再読からスタートさせました。

ちなみに、当方は、ハリポタ読書開始の時点で、ハリーポッターの映画は1本も見ておらず、日本語版の翻訳も一冊も読んでおりません。
「ハリーポッターの額の傷も知らない」状態、つまり、全く未知の状態です。
知っていたのは、ハリーポッターという魔法使い少年の、大評判の面白い話だということだけですね。

7月の時点で、主に読んでいたのは、もちろん、「児童書」です。

このハリポタ読書前に何を読んでいたかと言いますと、
7月2日 BABY-SITTERS CLUB 第90巻
7月3日 NANCY DREW 第1巻(without a Trace)
7月4日 OXFORD Bookworms レベル3 ON the EDGE
となっています。


BABY-SITTERS CLUB 、NANCY DREW(高校生になったナンシーの第1巻)は、子供向けの洋書児童書です。
アメリカでは、小学校入学前~小学4年生以下の子供達が読むような本です。



90巻が見当たらないので、これは4巻ですが、ほとんどみな同じ感じです。
1冊で普通のペーパーバックの1/3~1/4 ぐらいの分量です。
今年アメリカで再販が始まり、今は1巻から読めます。


ナンシーお嬢ちゃまが活躍する、NANCY DREWnote-book の上のシリーズで、こちらは高校生のナンシーが登場します。



6月~7月はじめに、さらに36冊の児童書を上積みして読みました。


ほとんど、児童書ですが、毎日多量に読んでいます。
17日には1日で5冊も読んでいますが、これは分量のないやさしい児童書:マジックツリーハウス3冊とオックスフォードのグレーデットリーダーの一番やさしいものレベル1の2冊と思います。たぶん休日で、一日中読書をしていたのだと思われます。


そして、7月5日から、ハリポタ読書が始まります。

7月5日~6日 第1巻再読
7月7日 第2巻再読
7月8日~12日 第3巻再読

当方が読んだ第1巻は、アメリカ版で、タイトルがイギリス版(正式な版)とは異なっています(309頁)。

これは再読なので、初読時とは自ずとスピードも違うと思うのですが、まず第1巻を2日で読んでます。
次いで、第2巻は仕事が休みの日に1日で読んでいます。

その次の第3巻は、5日間かかって読んでいます。仕事の合間に読んだものです。
ハリポタは第3巻から、分量が多くなり、第4巻(636頁)以降は、ほぼ600頁以上の量になります(第7巻も607頁)。

7月13日~19日 第5巻読了
第5巻は7日かかっています。

第4巻が抜けていますが、第4巻は5月に読んだので、ある程度記憶が残っていたので、再読しませんでした。ただ、第4巻を何日で読んだかは、残念ながら、記録にありません。

7月20日~26日 第6巻読了
第6巻も7日間かかっています。

7月27日~8月4日 第7巻=最終巻は、9日間かかっています。
いずれも、仕事の合間に読んだものです。

第7巻=最終巻です(607頁)。
一応、にぎやかしに、出してみました。

これらを一応まとめますと、
第1巻~第3巻 再読ですが、合計7日間
第5巻~第7巻 7+7+9で 合計23日間
まあ、ほぼひと月で読んだ計算になります。
抜けている第4巻も、第5巻以降と同様、7日あればほぼ読めるものと推定されます。


つまりですね。

英検準1級(TOEIC 800~900点 / 語彙力 7000~8000語)であれば、ハリーポッターを何とか読めるが、1冊読むのに1ケ月以上かかるかもしれない。
英検1級(TOEIC 950点以上 / 語彙力 10000~12000語)ならば、ハリーポッターを比較的すらすら読め、600~700頁ある本でも、1週間ほどで読める。

という先の標準理論は、

実は、「児童書などを全然読んでいない人ならば」、という「注釈」をつけるべき常識、ということなのです。

半年~1年ぐらいの間に、「児童書を50冊以上程度~100冊未満まで」読んでいる人であれば、ハリポタの第5巻~第7巻=一般のペーパーバックとそう変らない難易度のオール600頁越えの本を、それぞれ1週間程度で読めるのです。

同様に、ペーパーバックも、それほど難解でないもので、300ページ台のものならば、4日間で読めるのです。

当方が特別なのではありません。
「誰でも!」、半年~1年の後には、読めるようになるのです。

これは、当方の読書の、スタート時点をみれば、明らかです。

もし、スタートの時点で当方に、英検準1級(TOEIC 800~900点 / 語彙力 7000~8000語)の力があったならば、いくらなんでも、絵本から読み始めるようなことは、しておりません。
普通に考えても、そんな方はいないでしょう。

当方の、英語読書は、15年近く英語から全く遠ざかった後の、再スタートなのです。
その間、ゲームのシムシティ(英語版)でしか、英語には触れていなかったのです。
この時点で、50歳の、いいかげんロートルのおじさんだったのです。

少なくとも30歳代までの方で、ある程度以上英語学習をされている方ならば、半年あれば、もっと容易に、ペーパーバックが読める位置に立つことができる、と当方が考えるのも、無理からぬことでしょう。

そして、
それを可能にするのが、何度も申し上げますが、

「児童書の読書」なのです。

これを利用しない手はないと、思われませんか?


特別出演:その1

全74頁。1日1分では13頁分1エピソードを紹介。
こちらは、かなりやさしめで、スタート地点向きです。

特別出演:その2
最後に、児童書といえばコレ。
ライオン姿の王「アスラン」にご登場願いましょう。

映画ナルニア国物語原作の「ナルニア」シリーズ第2巻。
THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE

第2巻から物語は始まります。最初に書かれたこれを読むのが、正しい読み方で、1巻から読むと興ざめします。
こういう世界に興味のない人もおられますが、このナルニア2巻は、(難しい単語はあまり出てこないのですが)文法の一つの壁で、これが読めないと、ペーパーバックは難しいとは言えます。

☆☆
まあ、ですね。

実のところ、当方は、大の読書キチでありまして、毎年、膨大な数の本(日本語の本)を読んでおりましたから、英語の語彙力不足などを、日本語の国語力(読解力)で補っていた、という面も、確かにあるのです。
ハリーポッターを読んだ際は、かなり国語力に依存していたと思います。
もとより、厳密に、一言一句理解できたわけではありません。
ただ、普通の日本語の本の読書のように、楽しく読み進められたことは、確かです。

普段から読書をされていない方は、半年の「児童書読書」では、若干、足りないかもしれません。
児童書50冊以上というノルマを、半年間で達成するには、毎日大量の読書を継続しなければなりません。
これには、相当の根気と集中力を必要とします。

そこで、半年~1年と、期間を長めに設定した次第です。

当方は、現在でも、語彙力診断テストで、ときどきしか7千語越えを果たしておらず、普段のベースの語彙力は4千語内外なのではないか、と推定されています。

昨年、ボキャビル大作戦の計画を立てたのも、そういった事情です。

そのような身でも、何とか、ペーパーバックを読み進められるわけです。
かなり、読むのは遅い方で、1時間に30ページ弱しか読み進まないのですが、それでも、1日3時間、4日あれば、ペーパーバックを360頁読むことが出来ます。
普通のペーパーバックであれば、読み終わる分量です。

「なかなかいいかも、児童書読書」
「今年は思い切って、児童書をしばらく読んでみるか」
と思ってくだされば、幸いです。

児童書については、以前に「プレペーパーバックの児童を読むセレクト17」というシリーズを若干お送りしましたが、今後も、特集を組んで、いろいろな、プレペーパーバックの児童書をご紹介していきたいと考えています。
プレペーパーバックの児童書は、「やさしい洋書を楽しく読もう」、でご紹介しているものよりも、少し難しいレベルの児童書が中心となります。
しかし、けっして、読みすすめられないようなものではありません。

レベルに対応して、どのようなものを読むのがいいか、こういう本などを紹介して欲しいという方がおられれば(残念ながら、いないと思うのですが・・・)、メールなどでご連絡さしあげますので、気軽にお知らせ下さい。
いくつかの選択肢を、ご提示できるものと思います。
当方の言うことなので、「奇妙な」本が入るのは確かですけれども、ですね。

個人の方の趣味・好みの問題もありますので、一概にコレとコレというふうには、決め付けられないのですね。先ほどのナルニアも、ファンタジィ??の大人の方には、ムリにオススメできません。

また、お子様の場合は、まず、もっとやさしい洋書を読むのが先決となり、時間や進展度合いが大人の方と異なりますので、明確なお答えができない場合がありますことを、予めご了承ください。

特に、お子さんの場合は、じかに接していないと、その個人の傾向&英語レベルがしっかりと把握できないので、本の選定が、ちょっと選定が難しいのですね。

昨年、お受けあいしました、子供さんへの本の選定がうまくいっていないくて申し訳ないのですが、子供さんの場合は、身近に接していないと、コレコレのあたりと本を指摘するのは難しいと感じています。

では また。


西新井sunny-side up の近況

話が長くなりすぎましたので、ゲットした本の詳細などは、次回に譲りたいと思います。
では。 
少しホンの写真などを加え、加筆訂正いたしました(5日9時30分)。

長らくお待たせしましたが、

やさしい洋書を楽しく読もう
2012年 新年第一弾
「NODDY少年と、おもちゃの街の物語(絵本)」
1月5日にお届けいたしました。
楽しい物語だと思います。